パーマカルチャーへの挑戦 (2) ~植えるということ~

 パーマカルチャーには、「多機能性」という原則があります。

 これは私の言葉で解釈させていただくと、一粒で3度おいしいと
いうこと。

 私たちが、クリキンディという農園をやっているその大きな
理由は、自分たちの食べ物を安全に作っていくこと。
だから、食べられるものを植えることが目的です。

 ただ、農薬や化学合成肥料を使わずにやるには、有機の堆肥などを
使う以外にも、他の植物の助けが必要になります。

 そのひとつにコンパニオン・プランツという考え方があります。
他の植物と組み合わせることによって、栄養を与えあったり、
害虫を寄せ付けなかったり、互いに助け合う関係を植えることに
よって作り出すことです。

 たとえば、トマトとバジル。これは両方ともうちでよく消費する
植物ですが、バジルの香りによって、虫が付きにくくなります。
他にもコリアンダーやカモミールを一緒に植えると、虫が
寄ってこないようです。(一度、バジルを全部食べてしまって、
植え替えをしなかったら、ただちに虫(名前不明)が超大量に
発生した。)

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↑背後にバジルの種ができてきているのが見えますか?

 キャベツの原子種である、ケールとアブラナ科の野菜(キャベツ、
ブロッコリー、カリフラワーなど)を一緒に植えると、アブラナ科の
大好きなチョウチョが、ケールの方の最初につき、キャベツなどに
虫がつくのを防いでくれます。

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↑植えたばかりのキャベツの横のケール。ケールは
青汁の原材料でもあります。

 アブラナ科の両脇に、押し麦など、少し背の高い植物を植えると、
それが壁となって、チョウチョが降りれないのか、あまり虫が
つかないことがわかりました。この押し麦はクイ(テンジクネズミ)の
えさになります。

 たまたま発見したのが、ニンジンとコリアンダーは相性がよく、
一緒に植えると、ぼぼぼぼーっと勢いよく生えてくれます。

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 フェンネルは、匂いで、害虫を寄せ付けず、それでいて、
黄色い花で、ハチなどの益虫を呼んでくれます。さらに、葉が下の
方から広がるので、雑草の繁殖を防いでくれます。葉っぱは
香草として使えるし、種も香辛料になります。(とは言いつつ、
実は苦手な匂いだったり…。)

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 こちらの先住民の人たちの主食はトウモロコシですが、
そのトウモロコシと豆を必ず一緒に植えます。豆が地中の
窒素分を固定してくれ、なおかつトウモロコシの軸が、
豆のつるを支える役割をしてくれています。

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↑うちのマエストロんちの畑。今、うちにはトウモロコシは
ありません。みんな植えているので、うちはあえて
トウモロコシは作らず、みなさんが作っていないものと
交換します。トウモロコシは、実以外も有用で、葉は家畜の
えさに、軸は、子供たちのおやつに。軸はかじると
甘いんです。

 植物(木)が果たしてくれる重要な役割の中に生垣があります。

 生命のないものは、時とともに、どうしても劣化してしまいます。
コンクリートなどで作った塀もいつかは壊れます。しかし生命のあるもの
だったら、条件さえ整っていれば、時とともに育って、立派な生垣を
作ってくれます。

 そしてこの生垣も、黄色い花のものやマメ科のものを選ぶことによって、
周囲の植物と共生関係を育み、より健康に育っていきます。
さらに育つ高さも様々なものを組み合わせることによって、光や養分を
分け合うことができるのです。

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↑道路沿いの方は、トラックやらが毎日たくさん通るせいか、なかなか
育たない。ということで、通路を作り、その柵的に木々を植えたら、
生えてきた。これらの木々が与えてくれる栄養も、野菜にとっては
とても大事。

 この生垣は、単なる壁という意味合いだけでなく、マルチや家畜のえさ、
土への有機物などにもなります。さらにうちの場合は、防風林として
かなり重要度が高いです。表面の土がさらわれてしまうのを防ぐ他、
風上に、残念ながら農薬を使う畑があるので、それがうちの野菜に
降りかかるのを防ぐ役割もしてくれます。
これは一種のアグロフォレストリーでもありますね。

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↑畑の真ん中にある防風林。ハチだけでなく、ハチドリを
はじめとする鳥たちもたくさんやってくる。花は、益虫を
運んでくるという実際的な役割もあるけれど、私たちの目を
楽しませてくれるというのもとっても大きな役割。
エルダーベリー(ニワトコ)は、花は薬用(のどによい)、
実でワインができるとか。ワイン、いつか作りたい!

 もちろん、生垣は一朝一夕でできるものではありません。さらに言えば
コンパニオン・プランツだって、まだ私たちが理解していない植物の性質も
たくさんあるし、本に書いてある通りにいくとは限りません、。
これも、土だとか、周囲の環境だとか、そういうものも全部影響してくる
からです。それがわかるまでには時間がかかります。

 でも、そういう時間を過ごすことそのものが、「自然の摂理に
寄り添う」ことだと思います。私たちにはとても及ばない力が
そこにはある。だから、待つのです。

 このように生物資源を生かしていくことも、パーマカルチャーの
重要な要素だと思います。だから、単に一言で「植える」と
言っても、何をどこに何と一緒に植えるか、ということを
考え抜くこと、そしてトライ&エラーあるのみで、チャレンジすることも
とっても大事なのですね。

 また長くなってしまいましたー。スミマセン。


>>続く。

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