コタカチあるもの探し

 コタカチで新しく始まった試みに"Consuma lo nuertro"というのが
あります。

 "Consuma lo nuertro"というのは、日本語では「私たちのものを
消費しよう」という意味です。つまりその土地で採れたもの、作られたものを
食べよう、使おうという、「地産地消(地域生産地域消費)」の試みですね。

 地産地消の利点は、土地の人が、地元のものを買うことによる
その地域の経済の活性化および循環、新鮮で安全な食物供給、
食物の輸送距離を減らすことによるエネルギー消費削減やパッケージの
簡素化、生産者と消費者の関係をより身近なものにすることなどが
挙げられます。

 たとえばコタカチで言うと、コーヒー。
 
 せっかくコタカチ郡のインタグ亜熱帯地方では、良質の有機コーヒーが
採れるのに、コタカチ市民は、ほとんどその存在すら知らず、
コロンビア産のインスタントコーヒーを飲む人がたくさんいます。

 しかし、これではコタカチ市民が払うお金は全部国外へ行ってしまうし、
誰がどんなふうに作ったかわからない、安全性もわからないコーヒーを
飲むことによって起こる健康上の問題、コロンビアから運ぶ
輸送コストや輸送に使われるエネルギーによる大気汚染など、遠くから
食べ物を運ぶというのは百害あって一利なしというくらい、
たくさんの問題を伴います。安易に外国の食べ物が手に入るというのは、
一見利点のように見えますが、その裏側を見ると、その手軽さは
かえって仇のように思えます。

 一方、インタグのコーヒーは、森林農法で、森林を破壊することなく、
そしてそれ以上に森を作りながら、生産者たちが丁寧に無農薬で
作っています。これはインタグの中心地のアプエラで焙煎され、
エクアドル国内へ輸送されます。コロンビアから運ぶよりもはるかに安全で、
新鮮で、コストも安い。生産者へは的確な価格が支払われる。おいしくて
安全で、なおかつ森を守るコーヒーを生産し、飲むということは、
コタカチの生産者、消費者双方にとって、大きな利益になるのです。

 …と前置きが長くなりましたが、その試みの一環で、自治体が、
「コタカチを知ろうツアー」を企画しました。インタグのコーヒーが一般市民に
知られていないように、その他多くの産品が、コタカチにあることを
知られていません。だから、知ることから地産地消を進めようというのが
狙いだそうです。

 そして今毎月一回、週末にコタカチからのウォーキングを行うことに
なったのだそうです。 ないものばっかりねだっていて、外に行くのではなく、
今ここにあるものを歩いて探す旅。今まで気がつかなかった、「今ここ」に
ある風景を見ながら、空気を感じながら、自分の体を使って、
ゆっくり歩きながら探す。
とても素敵な試みだと思いました。

 それで白羽の矢がたったのが、私たちが住むエル・バタン。
エル・バタンは、パン作りが盛んな村です。ロスカと呼ばれる、伝統的な
パンを泥で作った竈で、焼きあげます。ただ、残念ながら、コタカチで
売っているのはほんの少数で、ほとんど隣町のオタバロで
売られています。

 そのパン作りを見ようということで、エル・バタンへのウォーキングが
行われることになったのですが、さらにエル・バタンで野菜の有機栽培を
やっているということをどなたかが耳にされ、我がクリキンディにも
いらっしゃるということになりました。

 50人くらい来ると思うと言われていましたが、なんといらしたのは、
ほとんど小学生くらいの子どもさんたちでした!
「来られるのは大人かと思っていた」と引率でいらしていた大人の方に
ちらっと言ったら、
「それが大人も来るはずだったんだけど、来たのは子どもだけだったのよ」
うーん、ちょっと悲しい現実。でも未来を担うのは子どもたち!

 ただ、子どもたちに話すのは初めてのこと。「有機農業」という言葉
ひとつとっても、「わかんなーい」。

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 今回は、スペイン語なので、パートナーエクトルが担当しましたが、
しどろもどろ。大人の言葉と子どもの言葉は違う。それはとても
良い勉強になりました。

 そして締めくくりは大人の人たち。私たちが自分たちで、有機栽培を
していることに感動したと言ってくださり、また今インバブラ県では、地産地消を
進めていて、県内の生産物の消費に力を入れているとか。でも
コタカチからすると、コタカチにあるものをどうして、他の郡から
持ってこないといけないのかという疑問から、今回の企画が生まれた
と話してくださいました。そして新しくコタカチで出すことになった
フリーペーパーに、地産地消のことを含めて、私たちの農園のことを
書いてくださるのだそうです。

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 ただ残念なのは、一人に一本ペットボトルのジュースを支給して
いたこと。中身も全然地産地消ではないことはさることながら、
ゴミ問題も、重要な問題です。前もって言ってくれれば、オーガニックレモン
&パネラのジュースを用意していたのに。

 でもこういうことも一歩一歩やっていくしかないんだと思います。
今は、コタカチが地産地消へ動き出したことをうれしく思います。
私たちがやっていることは間違っていないという勇気ももらいました。


この記事へのコメント

砂ちゃん
2010年02月16日 11:39
すご~く良い試みだなぁって思うのでパチパチ。
気付いた事から始まるのですから!
ペットボトルのジュースの事は担当者に伝えたのでしょうか?考えもせずにやっていることは言われないと気付かないものです。
子供たちの応対は大変だった事でしょうね。
将来に期待しましょう!
でもやっぱり一緒に感動して考えて行動してくれる大人がそばにいなきゃ育ちませんよね?

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