コミュニティープロジェクト⑪ ~「正しい」ことが正しいとは限らない~

 前回の続きです。

 あまり意味のない議論を繰り返し、一人が席を立った後、
一人立ち、二人立ち、残ったのは3人。

 正直、これは、ものすごく痛かったです。

 トイレ(あるいは下水道)がないと訴えるコミュニティー。
そのオルタナティブを繰り返し提案し、できるだけ
わかりやすいようにトイレの仕組みを説明し、一生懸命資金を探し、
でも全世帯分はまかなえない。であるならば、これを
パイロットプロジェクトとし、なんとかみんなが
けんかしないようにと知恵をしぼり、最初は3世帯から
はじめて、結果次第でまたもっと大きな資金を探そうと提案し、
できるだけコンセンサスをとって進めてきたつもりなのに、
この結末。

 保健・衛生、環境、トイレにまつわることのワークショップを
企画し、きちんとした知識をもって、トイレを使ってほしい、
これは簡単な仕組みだけれど、魔法の杖なんかじゃない、
一人一人が自分のあり方に責任を持ってこそ、
使えるものなんだから、と繰り返し説明し、そして、
これらのことはトイレだけじゃなくて、いろいろな面においても
重要だから、きっとみんなの役に立つと信じて、
きれいで環境にも負荷をかけないトイレのために、
方々に頭を下げて、有料、無料で(って言っても、
私たちの野菜をあげたり)ファシリテーターをお願いしたりと、
奔走してきたのです。

 なんら間違ったことをしたとは思っていない。

 でも、しょうがない。

 一般論で「正しい(と私が信じている)」ことであろうとも、
実際のそれぞれの生活スタイル、価値観、お金の状況、
優先順位に合致するとも限らない。合致しないのなら、なんらかの
メリットがないのなら、自らの意思のみでやるのは難しい。
席を立つことが、それぞれの意思だったのであれば、
何かが「正しく」なかったのでしょう。

「コミュニティー」とは、なんなのでしょう。

 人生の前半のほとんどを、都市部のちょっと外側で
過ごしてきた私。隣近所との付き合いなんて、道で会ったら、
挨拶する程度。誰がどうして、何してるなんてほとんど知らないし、
別に知りたくもない。ましてや、助け合うなんて、ありえない。

 でもいろいろ「スローライフ」を模索してきて思ったのは、
やっぱり人と人のつながりが大事ということ。これからの時代を
生き延びるためには「コミュニティー」が重要と確信しています。
それに伴う「ウザさ」も承知で、飛び込みました。

 新参者である以上に、外国人である私を受け入れて
もらうために、どんなに嫌なことでも、とりあえず受け入れて、
ギブ&テイクでも、とにかくギブを多くして、むかついても、
顔だけでもニコニコし、我が強く、自分の正義を通さないと
気が済まない私にしては、気が遠くなるような努力してきました。
でもまだ、自分の立ち位置がよくわからない。

 しょっちゅう誰々と誰々がケンカしただの、
誰々がコミュニティーのお金をかすめただの、
誰々がミンガ(村の恊働作業)に参加しなかっただの、
大小のいざこざが絶えない村。
でも、なんだかんだ言って、みんな幸せそうに
仲良く暮らしているように見えるのです。

 でも考えてみたら、基本的に、お金をもらうというメリットが
ある会社という集まりにおいても、NGOのような、ある程度
共通の社会正義運動やらを一緒にやっていこうという意思がある
集まりにおいても、小競り合いというか、揉め事はある。
いくら正しくても、正しすぎて、敬遠されるということはある。

 ならば、単なる隣同士の人間だったら、なおさら。

 でもお互いが幼いときから、同じ環境で、素をさらけ出して
何世代も一緒に喜怒哀楽をともにしてきた背景があるから、
むかついても、もめても、そこに解決がなくても、
会社や団体のように「ぬける」という選択肢はあまりなく、
なんとなく一緒に生きてしまう。

 そういうあいまいで、複雑で、面倒くさくて、ナマの感情で
生きる場所がコミュニティーなんだろうな、
そしてそういうものを、今のように上からの目線で見ている限り、
きっと私はコミュニティーのメンバーには芯から
なれないのだろうな、とふわふわ思ったりしています。
逆に急になろうなんて言っても、私にとっても、村にとっても
無理な話。それは、だから煮詰まらないで、ただ、村にいて、
長い時間をかけて、それになりに参加し続けていれば、
いつかなんとなく、あいまいにいつの間にかなっていること
なんでしょう。

画像

↑いつか村の人と一緒にした植林。

 話は最初の方に戻りますが、さて、その残った三組の行方は…?

>>続く。


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