パーマカルチャーへの挑戦 (9) ~「パーマカルチャー的建売販売」?~

 以前近所に、外国人居住区がたくさんできている話を書きました。

 今2個建設中で、さらに、3つ目も着手しようとしているようです。
これがどんなふうに始まったかは、コミュニティープロジェクト⑤
書きました。

 そして、3つ目のプロジェクトを依頼されたパーマカルチャーの
団体から私たちにかかわってほしいという依頼が来たのです。
なぜなら、その団体はキトにあり、コタカチにいる私たちが物理的に
一番近いからです。

 でもコミュニティープロジェクト⑤に書きましたが、いったいどうやって、
「パーマカルチャー的建売住宅」なんて作れるのかわかりません。
あのときは、パーマカルチャーの具体的なことよりもコミュニティーとの
折り合いの方が気になりましたが、少しずつパーマカルチャーの
ことを勉強してきて、そんなものは無理だとはっきり思うようになりました。

 これまで、「パーマカルチャーへの挑戦」で書き続けてきたように、
自然と寄り添い、その自然の循環の中で生きることそのものが
パーマカルチャーだと思うわけです。
 
 日当たりや風の抜け道、湿度などなどを考慮した「家」は
できると思います。だけれど、誰が住むかわからない、つまり
どんな人がどんなふうに住みたいと思ってデザインしたわけでない家が
どんなふうに自然の循環の中で生きるのか?

 たとえば、ドライコンポストトイレは、水を使わず、おがくずを入れる
トイレです。うちくらいの高山気候でも、2年くらい経てば、完全に分解して、
匂いもなくなります。水そのものもいらないし、上水道も下水道も
いらない、私のお気に入りのトイレです。

 でも、基本的にくみ上げ式で、たまったら出さないといけません。
住む人に、それらを掻き出して、運ぶ体力はあるの?
掻き出したり、運んだりするシャベルや手押し車はあるの?
出した土はどこに運ぶの?何に使うの?
おがくずはどこから運んでくるの?(←これ超重要です。入れるものが
なくなるとすぐに匂い&ハエが大発生します。)
そういう循環型の意識はあるの?

 一見、便利だし、自然破壊を促さない素敵なシステムであるけれど、
素敵なシステムであるためには、人間も動かないと、つまり、
人間も自然の一部として、他の動植物やら微生物やらが本能で
やっていることを意識してやらないといけないと思うのです。
トイレ一つとっても、そこに住む人の意識やライフスタイルが
問われます。

 木を植えるにしても、野菜を植えるにしても、どれだけ
パーマカルチャー的に効率よく、自然に寄り添った形でできたとしても、
その形に至るまで、数年はかかるはずだし、作った野菜は収穫しないと、
荒れてしまいます。半永久的に、勝手に生え続けるわけでは
ありません。

画像

↑パーマカルチャーはいのちと向き合うこと。生まれ、成長し、
老いていく、ずっと変わり続けるものでもあります。
このチンゲン菜も、ずっとこのままきれいな野菜でいるわけ
ではありません。

 「はい、パーマカルチャーの家できました」と建売的に、あるいは
セット販売のようにできるとは私にはとても思えません。住む人が、
自然とともにあるライフスタイルを求め、でも知識が足りない場合、
ここはこうした方がこうなるよ、とか、ここはこうだから、これが
必要だとか、そういうコンサルタント的なものはできても、
パーマカルチャーを誰かのために「してあげる」ことは絶対に不可能だと
思います。少なくとも、私にはできない。

 コミュニティーの存在だってある。「自然」の中に、隣人だって
含まれるのです。一人完結的にできるかもしれないけれど、でも
そういう考えそのものが、やはりパーマカルチャー的でないと
言わざるを得ないと思います。

 さらに言えば、自分の土地だって、思うようにパーマカルチャーが
実践できないのに、いくら近所だからって、違う土地で、
パーマカルチャーをやるなんてとてもとても責任持てません。
ここはこうだと思って植えたり作ったりしたものでも、思うように
ならないかもしれない。そんなこと恐ろしくてできやしません。
自分ちだったら、別にいい。なぜならそれを模索すること
そのものが、その過程を通して自然の流れを感じることこそが
私たちにとってパーマカルチャーだから。結果として、
うまくいかないと困るは困るけれど(いや、本当にがっかりしますが)、
失敗しても、もっと五感と知恵を駆使すれば、自然と
よりよく寄り添える別の方法が見つかるはずだから。

 つくづく、パーマカルチャーというものは、単なる農法だけではないし、
ましてや、販売するためのマーケッティング用語ではなく、
考え方、つまるところライフスタイルなんだと思います。

 …違うかな?(なぜかちょっと弱気?)



>>続く。

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