パーマカルチャーへの挑戦 (5) ~パーマカルチャー講習・地形と水編~

 私が聞いた話の中で、これはすごい、すごすぎると思ったのは、
地形と水の関係です。

 エッジ・エフェクトとは、日本語で言うと、接縁効果です。と訳しても、
はて?という感じですが、つまり、二つの異なる環境条件や地形が
接する地点というのは、物や資源が堆積しやすい
(農文協『パーマカルチャー』より引用)ので、それを利用することです。

 ここで習ったのは、このエッジ・エフェクトを作り出すこと。

 まず最初に、作ったのは、「A装置」。なんだか難しそうな響き?
いえいえ、けっこう簡単です。これは2m5cmの棒2本と1m10cmの棒1本、
それからこれらを結ぶ糸と、垂らす糸、それから重り一個でできます。

1) 2m5cmの棒2本を、下の部分を開いて上から5cmのところで、結ぶ。
2) 1mの棒を1)の結び目から1mのところで横に結ぶ。端5cmずつ
残し、1辺1mずつの三角形を描くように結ぶ。
3) 頂点からひもを垂らし、2)の棒を少し超えるくらいの長さに調整し、
重りをつける。
4) 完全に平らなところを見つけて、そこに「A装置」を置いて、重りが
揺れないところに印をつける。

画像
 
↑できあがり。「A」の形をしているから「A装置」。インタグ
コーヒー生産者組合AACRI
の技術指導員たちも参加。

 さて、これをどうやって使うか?

 なんとか水を活かしたい、カルロス家の牧草地改善策を立てました。
カルロス家の牧草地は、乾季に入ると十分な牧草がなくなるので、
水という資源を土に浸透させることによって、乾季中にも牧草に水を
与える工夫が必要になります。

 牧草地の真ん中に、横に突っ切るように、スウェイルと言う、
浸透性がある灌漑用水路を作ります。

 ここで大事なのは地形、標高です。水は高きから低きに流れます。
この水路を低いところから高いところへは重力の関係で流れません。
逆にしても、速く流れすぎてしまうので、水が浸透する前に、
低い方へ流れていってしまいます。

 大事なのは、できるだけ同じ高さ(標高)のところに水の道を
作ってやること。そうすると、逃げ道に沿って、流れますが、流れが
ゆっくりなので、スウェイルから地中に水が浸透していくのです。
これは水が流れているときだけではなく、雨が降っても同じことが
起こります。雨の水が地中に落ちる。重力が下へ流す。でもこの
スウェイルがエッジを作り、そこに貯め、ゆっくりと浸透させていくわけです。
時とともに、このスウェイルに堆積物がたまりますが、これはとても
肥えた土なので、肥料として使えます。

 この同じ高さを調べるのに、「A装置」を使います。だいたい土地の
真ん中から始めます。スタート地点に「A装置」の片足を置いて、
もう片足を置くところを決めます。

画像


 重りを下げた糸が、印をつけたところに来たところが、スタート地点と
同じ標高のところ。そこに杭を差し、スタート地点に置いた足を、
今度は逆の足を起点にして、同様に同じ標高のところを探します。
パタパタパタと、それを繰り返すと、杭が並ぶ。その杭を結ぶと、
その土地の同じ標高のところがわかると。
つまり、「A装置」というのは、簡易測量計なんですね。
(ただ、人為的に掘った穴とかがある場合には、注意!)

画像

↑杭が並んでいる。この点を線で結ぶと、標高ラインがわかる。
ただし、あまりに外れているのは、人為的な要因によって、
高低が狂ったせいもあるかもしれないので、ちょっと要調整。

画像

↑さっそくスウェイル掘り。みんな農業を営んでいるので、
作業が超速い。

画像

↑スウェイルを掘った後。半月型に(つまり底を丸く)すると
堆積物によって、塞がる率が減る。掘った土は、標高が低い側に
盛る。そうすることで、水の量が増えても、壁が高いため、表面に
流れにくくなるし、エッジがはっきりするため、その効果も受けやすい。

 これは牧草地でなくても、大いに活用できます。たとえば灌漑。
私たちの農園では、スプリンクラーを導入していますが、
基本的には、灌漑用水の水路をせきとめたりあけたりして、
畝ごとに、水やりをします。でも、現状だと、水の流れが速すぎて、
土ごと、それどころか種まで水が流してしまうのです。
だから、畝をまっすぐ作らず、標高が同じところを同様に探り当て、
それに沿って畝を作ることで、水の流れを遅め、水の浸透を
助けることができるのです。これ、スプリンクラー導入前に知りたかった!
これも「アイタタ」ですが、でもすごくよくわかった!!
でもこれは、雨水でも、スプリンクラーでも、水を地中に貯める、
という意味においては有効なので、これはこれでよしとします。とほほ。

 さらに、スウェイルを高いところから低いところに、高低差をできるだけ
緩やかに、蛇行するように作り(アマゾン川のイメージ)、その水路と
水路の間に畑の畝を作ると、スウェイルから浸透した水が根へ行きわたり、
なおかつ、このスウェイルの曲がり角に堆積物がたまり、そのすぐ横の
畑に使えるという。これは水が多いところでも、少ないところでも使えます。
水が多いところでは、土地が、沼地のようになってしまうことを防ぎ、
水はけをよくします。水が少ないところでは、少ない水の蒸発を
防いで、灌漑をすることができるのです。

 パーマカルチャーは自然に寄り添うこととくどいくらい言っていますが、
この講義を受けて、自然に寄り添うことの意味が一歩深くなった
ように思います。単に高いところに家を建てて、という話ではなく、
もっとより深く、大きな視点で活かすことを学べたように思います。

 学ぶというのはこんなに楽しいものなんだというふうに感じました。



>>続く。


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