パーマカルチャーへの挑戦 (4) ~パーマカルチャー講習・全体編~

 インタグにある、ナマケモノ倶楽部のスローライフ実践農場
「エル・ミラグロ」。

 パーマカルチャーを実践していると言っても、なかなかうまくできません。
いろいろやってみるものの、場当たり的なことばかりで、長期的な
プランがうまく立てられず、活動がマンネリ化していました。

 そこで、方々相談して、パーマカルチャーの専門家に来てもらおうと
いうことになりました。そこで来てもらったのが、ロナルド・レックさん。
彼は、グアテマラの先住民。レックという名字を聞いた時、
最初は、英語圏の人なのかと思っていましたが、実は、「水鏡」という
意味の、マヤ先住民のことばでした。

 彼とインタグの団体Consorcioとアメリカ出身の活動家の
ピーターさんと協力して、インタグの農家の人たちとの
ワークショップも同時に開催しました。

 先住民として、マヤ文化を大事にしながら、農村部の人々と
一緒に活動してきたロナルドさんは、インタグの人々にとってもわかりやすく
説明してくれるとともに、全員の参加を促します。

 私は全部参加できなかったのですが、一部だけ参加させて
いただきました。お話していたのは、マヤ暦と月カレンダーの話や
太陽の話、種、バナナサークル、地形やエッジ・エフェクト、オルタナティブハウス
(ここで、スーパーアドビの話をきいた)
、コンポストトイレ、
「3姉妹」の話などが聞けました。

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↑ロナルド・レックさん

 おおー、なるほどと思ったのは、種の話。種をいかにうまく採取し、
次につなげていくかは、健康な種を手に入れるためにも、翌年の
収穫を確実なものにするためにも、その地の在来種を守るためにも、
お金を使わずに栽培するためにも、重要な事項。(種って高いんですよ!)

 種を採取するときは、畑の真ん中の、木なり、茎なりの真ん中あたりの、
さやの中の真ん中に良質の種が採取できると。たとえば、トウモロコシの
場合、トウモロコシ畑の真ん中にあるトウモロコシの、いくつか実っている
トウモロコシの軸の真ん中にあるトウモロコシ、さらにそのトウモロコシの
粒でも、その列の真ん中を種として保存するとよいそうです。よく、何かを
収穫したとき、粒の形がよいものを選んで種にするとよいと聞いたことが
ありましたが、ここまで具体的な話は初めてでした。

 バナナサークルというのは、バナナを直径1.5mくらいの円に、3本か
4本植え、その中に生ごみを捨てていくことによって、水分と生ごみの
養分をこの3、4本の木にやりつつ、生ゴミをうまく処理すること、
と私は理解していたのですが、いろいろやり方があるようです。
この講習で教えていたのは、雑排水の処理。台所の排水を、この
バナナサークルの真ん中に流れるようにして、そこに使わない木材などを
置きます。穴は1.5mとけっこう深め。雑排水の処理ができると同時に、
木は水をよく吸うので、腐って、どんどん養分になります。
エル・ミラグロの管理人のルイスさんは、エル・ミラグロで、「バナナサークル」
をやったことがあったものの、「なぜ」「どうやって」の理解が
やっとできたと言っていました。

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↑バナナサークル。真ん中に木が積んである。かなり深い。

 オルタナティブハウスの話で、インタグの人たちの興味を引いていたのは、
竹の話。グアテマラで、竹を編んで壁にしたり、天井にしたり。インタグでは
竹が豊富にあるので、具体的に竹をどのように使えるかのアイディアを
得たよう。さらにセメント竹。通常、セメントで屋根を作ったりするときには、
鉄筋を使いますが、竹を軸にしても、できるのだそう。これで、貯水タンクなども
ずっと格安でできます。「安い」ということも大きなポイントです。

 コンポストトイレにもいろいろあり、この実習が行われたカルロス家は、
地中に穴を掘り、そこに排泄し、土を入れて最後は埋めるというもの。
ロナルドさんが紹介していたのは、私たちの家のように(えへん!)、
おがくずを入れて、分解したものを肥料として使うもの。
興味深いなと思ったのは、同じようにコーヒーの生産地である
グアテマラのサン・ルーカスでたくさんでるコーヒーの乾燥した殻は
コンポストトイレには使えないとのこと。まるで防水作用があるかの
ように、水を吸わないのだとか。炭素を多く含む木材、特に
おがくずが一番お勧めなのだそうです。同様の気候で実践する
人の言葉は深いです。

 逆に、この殻は、水を吸いにくいから、マルチ(敷き藁)として
使えるのだそう。土の表面を覆って、地中の水分の蒸発を防ぎ、
なおかつ時とともに腐っていって、栄養になる。おがくずを
マルチとして使うと(私のように…)、おがくずに水が全部
吸われてしまうので、NG。それぞれ自然の中でも、いろいろ役割が
あるんだな、同じ役割のものばかりだったら、自然がまわらないもんな、
とつくづく思いました。私にとっては、「アイタタ」という感じで、
自分の間違いを見せつけられましたが、イタイ学びは忘れないもの。

 「3姉妹」とは、トウモロコシ、豆、そしてサンボと呼ばれるウリ科の
植物も一緒に植える、つまりコンパニオン・プランツのことです。
こちらではマメとトウモロコシを一緒に植えることはポピュラーですが、
3種とは!しかも「3姉妹」という名前がカワイイ。マメとトウモロコシを
一緒に植えるということは、インタグの人にとって「常識」。
そこから、他の野菜や植物、花との組み合わせが成長などに
影響するという話は食いつきやすかったのではないでしょうか。

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↑リラックスしながらの講義。

 このように、やる理由、意味、具体的にどうやってやるのか、という
ことが胃の腑に落ちないと、なかなか実践に結びつきません。
なぜなら農業は重労働だからです。体全部を使って、大仕事を
するわけですから、「わけわかんないけど、とりあえず」的なことは
できません。意味がわからないと応用もきかない。場所が変わると、
どうしてよいかわからなくなる。特に、インタグの農家の人々の多くは
本を読む習慣がありません。字を読むことができない人もいます。
ですから、本で学ぶ、ということはほぼ無理。
わかりやすい言葉で、体を使って学ぶのが一番の近道なのです。

 この全体ワークショップは、インタグの中心地アプエラ、
東側のサンタ・ロサ(カルロス・ソリージャさん宅)、そして
西側のフニン村(鉱山開発問題を抱えつつ、コーヒー栽培や
エコツーリズムに取り組む村)で、計3回行われました。

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↑ちびっこ参加者たち。

 さて、私が一番「すげー」と思った地形の話は次回です!


>>続く。
 

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