フスティーナさんちのこと IV ~パネラづくり~

 フスティーナさんちの「パネラ(エクアドルの黒糖)作り」を見せて
もらいました。写真てんこ盛りです。

 場所はおうちのすぐ裏。ご飯をいただいているときに、モーターを
動かす音が聞こえていたのですが、まさかこんな家のすぐ裏で
やっているとは思いませんでした。

 そこでは、フスティーナさんの旦那さんのベニグノさん、お子さんの
パトリシオさん、シルビオさん、ノルマさん、ロレーナさん、パトリシオさんの
お嫁さんのマルセラさん、シルビオさんのお嫁さんのソイラさん、
フスティーナさんのお兄さんのアルフォンソさん、その娘さんの
エリザベスさん、その旦那さんのロドルフォさんたちが汗水たらして、
すでに作業を行っていました。

 パネラは、サトウキビの汁をしぼって、煮詰めたものを型に入れて
固めたもの。…と一口に言っても、重労働。ちなみにサトウキビの刈り取りは
この中に入っていません。

① サトウキビの汁をしぼる。

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 これだけ唯一ガソリンを使って発電し、モーターを動かして、
サトウキビの汁をしぼります。そのしぼりカスは、乾かして、燃料に。

② 火を起こす。

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 窯に火を起こして、サトウキビ汁を煮る。火は大きくしないといけないので、
ひっきりなしに薪やサトウキビのしぼりカスを乾燥させたものを突っ込む。
薪は上の穴に入れ、灰が下に落ちる仕組みになっている。

③ ゴミや灰汁を取る。

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 この灰汁汁(オタバリージョという名前)がおいしいとかで、
お椀にいっぱいくれる。でも、甘いもの好きでない私には、ちょいと厳しい…。

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 小さなヘチマをくりぬいて作ったお椀がかわいい。

④ 煮詰める。

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 ヘチマをくりぬいて作った大お玉。これでかきまぜること3時間。
混ぜ続けないと下の部分がごげちゃうので、ずっとかきまぜ続ける。

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 だんだん煮詰まってきた感じ。
 
 これを別の鍋にとっておいて、シロップとしても使う。とーっても濃い味。
これはその辺じゃ買えません。私はシロップがほしい時、固形のを
水で溶かすので、全然味が違う!

⑤ 入れ物を移して、練る。

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 鍋と小舟のような容器の間に木を置いて、垂れるのを防ぎつつ、
煮詰まったサトウキビ汁を移して、これまた舟の櫂のようなもので、
水を漕ぐように、少し練る。

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 ここに出る灰汁(オタバリージョとは別の灰汁)もみんなペロペロ。
いたずら顔のフスティーナさん。

 ↓は、木に残ったパネラでノルマが作ってくれたサントス。

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 この木の上に垂れた汁を練ると、白っぽくなって、立ちあがって
くる。これが、聖人の彫り物ように見えるというので、Santos(聖人)と
呼ぶお菓子になるそう。

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 子どもたちは残ったパネラをペロペロ。

⑥ 型に入れる。

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 ヘチマの大お玉で、型に入れる。これが重いこと。

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⑦ 型から外す。

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 簡単そうに見えて、難しい。すぐに壊れてしまう。

⑧ 包む。

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 お父さんが、器用に、サトウキビの葉を使って、固まったパネラを
ぐるぐる巻きにして、完成!家族みんなで作ったパネラです。

 このほとんどの工程で、みんなこの甘いのをずっと口に入れ続けながら、
冗談を言い合ったり、子どもたちが火に近づきすぎたりしないように
怒鳴ったり、仕事の過程を何やら言い合ったり、手伝いあったり、
笑い声、はしゃぐ声、どなり声が絶えません。みんな真剣で、大変そうで
でも楽しそうで、みんながそれぞれ動いて、ちゃんと役割を果たしていて、
そして誰もつらそうじゃない。家族が一体となって、仕事をやっている。
子どもたちがうろちょろしているのも素晴らしい。こうやって子どもたちも
自然に仕事を覚えていくのだろうと思います。
これぞハッピー家内制手工業!

 こういうのが本当のコミュニティーなんだと、つくづく思いました。
ただ同じ村に住んでいるから、血がつながっているから、というのだけ
ではなくて、同じ場所に住んで、力を合わせて、ひとつの仕事をして、
いろんなことを分かち合って、お互い様、おかげ様で、生きる
ということが、今はもう希少なコミュニティーライフなんだと思う。

 私が住んでいるアンデス地方のコミュニティーは、ある程度
そういうものが残っていますが、下手に町に近いので、インタグよりは
そういう風習が希薄な感じがしました。プラサ・グティエレスに
ついても書きましたが、不便であるがゆえに助け合って生きている。
それこそが、穏やかで豊かな生活を形作っているんだろうと
心から感じました。あまりの感動に、ほんとに涙が出ちゃいそうでした。

 ちなみに、ここに登場した女性のほとんどは、カブヤの
女性グループに所属しているので、みんなもともと知っているんですが、
そのグループの集まりには、当然のことながら、男子は来ません。
みなさんの旦那さんや連れてくるお子さんのお父さんたちに
初めて会えて、なんだか嬉しくなりました。エリザベスさんのお子さん、
ジェニファーのお父さん、ロドルフォさんがあまりにジェニファーに
似ていたので、すごい納得、というか、心にほわん、なおかつ妙に
おかしかったです。

 たぶん、おうちで、みなさん、ムユのこととかを話してくださっている
のでしょう、作業場に行ったら、初対面の男性たちが、
「ムユ!元気?」と一斉に声をかけてくださったのも、とっても
嬉しかったです。

 ほんと楽しかった!こんなことは久しぶりでした。また来たいなぁ~。

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↑甘いものが苦手なムユも、自分で棒をみつけてキャンディーを
作って大満足。

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